リンパ浮腫

リンパ浮腫とは?

 ヒトの体の中には、血管と同じように、リンパ管という管が全身の臓器と臓器との間を結び、一つのネットワークを構成しています。その中にはリンパ液という透明な体液が流れており、この体液は感染や腫瘍の増殖を防御する働きのあるリンパ球(白血球)を含んでいます。

 リンパ浮腫は、リンパ管に損傷や閉塞がある場合に、リンパ液が足や腕の中の軟部組織に貯留して、足や腕がむくんで腫れ上がることをいいます。 通常のむくみは一晩寝ると回復しますが、リンパ浮腫はなかなか改善しません。

 リンパ浮腫は、先天的な異常が原因で起こるものや、原因不明の特発性もありますが、そのほとんどは、婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)や乳がんの手術でリンパ節郭清術を受けた後に発生します。

 リンパ節は、リンパ液のろ過を行う豆のような形をした小さな構造物で、この張り巡らされたリンパ管に沿って全身に分布しています。感染や疾患に対する防御を担う白血球の貯蔵場所となり、わきの下や骨盤、鼠径部などで集団を形成しています。 

 婦人科がんや乳がんで手術の際に、リンパ節を郭清(切除)すると、心臓に戻るリンパ管の流れが遮断されるため、リンパ節を取ったところより遠い場所で、婦人科がんであれば足、乳がんであれば腕が、いずれもむくんで腫れ上がるようになります。

 特に、婦人科では、「長時間立っていると足がむくみ、歩行や立位がつらくなるため、家事や外出等に支障がある。」、「左右の足のむくみの度合いが違っており、スカートや靴をはくことができない。」、「人の目が気になり、人に会うのが嫌になる。」といった悩みを抱えている患者さんやご家族が大勢いらっしゃいます。