レーザー治療

子宮頸がんとは

子宮頸がんとは、子宮の入り口にあたる子宮頚部にできるがんです。このがんの起こる原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)といわれており、その中でも、がん化する可能性の高い高リスク型のHPVがセックスによって感染することが原因です。

ただし、HPVが感染することはきっかけではありますが、それだけでがん化が起こるのではありません。HPVの感染はごくありふれたもので、たとえていうなら一過性の風邪のウイルスと同じで、感染してもしばらくすると免疫の力で自然に消えていくものです。ところが、普通であれば自然に排除されるはずのHPVが、何らかの理由で排除されずに、子宮頚部に居座り続ける。その影響で、頚部を覆っている上皮の中の細胞が異常な形に変化して、増殖していく。さらには、そのヘンな細胞が途中でがん細胞に変わり、上皮を超えて外に浸潤し全身に広がり始めるのです。

子宮頚部異形成とは

子宮頚部異形成(異型上皮)(CIN)とは、子宮頸がんと同じく、がん検診で見つかる子宮頚部の異常のことで、将来子宮頸がんに変化する恐れのある異常病変(前がん病変)です。しかし、CINが見つかったからといって、必ずしもがんに変化するわけではありません。

CINは、先ほどお話しした「頚部を覆っている上皮の中の細胞が正常ではない形に変化して、増殖していく」ことを言います。軽い異常(軽度異形成)→ちょっと進んだ異常(中等度異形成) →さらに進んだ異常(高度異形成)→ 上皮の中にとどまっているがん(上皮内がん)→ 上皮を超えて外へ広がり始めたがん(浸潤がん)と進行していくことが知られています。HPVの感染によって生じた異形成の大部分(90%程度)は、先ほどお話ししたように、免疫の力でHPVを排除してしまうと、細胞が正常な形に修復されて異形成も自然に治っていきますが、一部(1~2%)はHPVが居座り続けることで軽度→高度異形成にゆっくりと進行し、やがてがんになります。つまり、異形成は将来がんになる可能性のある病変(前がん病変)と言えますが、途中でHPVが消滅した場合には異形成もほとんどが自然治癒しますので、がんではありません。

子宮頚部異形成(CIN)の治療 -当院で行っているレーザー蒸散術を中心に-

子宮頚部異形成(異型上皮)(CIN)は何度もお話ししましたように、すべてが子宮頸がんに進行するわけではなく、自然に治るものも少なくありません。しかし、定期的に検査を行う中で、頸がんに進行していくものや異形成が治らないものは、治療が必要となります。

治療は、病巣を含め子宮頚部を円錐状に切除する子宮頚部円錐切除術や、病巣だけをレーザーで蒸散(じょうさん)させる子宮頚部レーザー蒸散術が行なわれます。進行した子宮頸がんとは異なり、子宮全体、あるいは周囲のリンパ節を含めた摘出術が必要になることはほとんどありません。

一般的な治療は、軽度異形成〜中等度異形成の場合、定期的な経過観察、高度異形成~上皮内がんで子宮頚部円錐切除術とされています。しかし、当院ではコルポ診(子宮腟部拡大鏡診)で病変部位がきちんと確認できる場合、中等度~高度異形成で子宮頚がんの存在が認められない場合、前述のように病巣が進行する可能性を考慮して、積極的に子宮頚部レーザー蒸散術を行っております。 子宮頚部レーザー蒸散術は、炭酸ガスレーザーを用いて、子宮頚部の病巣の蒸散を行います。病巣を蒸散することで、異型細胞、HPV感染細胞を死滅させます。

レーザー蒸散術のメリット/デメリット

【 メリット 】
#外来通院にて治療を行うことが可能である
#妊娠・出産への影響がほとんどない
#保険適応であり、円錐切除術に比較して費用が安い

【 デメリット 】
#術前に異形成~初期の子宮頸がんを正しく鑑別診断するのは困難なことがある
#病巣が深くてレーザー照射が届かない場合、病巣が再発する場合がある