うつ病は、気分の落ち込みややる気が出ない、眠れない、体がだるいなどさまざまな症状を招く病気です。ここでは女性特有のうつ病とその原因、そして症状を紹介します。
女性がうつ病になりやすいのはどうして?
女性のうつ病は、30代を過ぎると増え始めます。全世代の患者総数を男性と比較すると、その数は2倍ほどです。
女性のほうが男性よりもうつ病になりやすい理由は、以下の3つがあります。
・生理的な要因
ホルモン変化が起こり、気分に変調が起こりやすいことは大きな要因です。またホルモンの関係で、うつ病を合併しやすい病気の有病率も高いです。
・社会的な要因
高い能力や多くの役割が求められており、精神的に追い詰められやすい状態がうつ病を招いてしまいます。
・心的外傷
セクハラやパワハラ、DVなどをきっかけに発症することが多いです。
女性うつと呼ばれるうつ病の種類
・PMDD(月経前不快気分障害)によるうつ
月経の3〜10日前から、心身に起こるさまざまな症状を月経前症候群と呼びます。個人差はありますが、毎月月経が始まる前に症状が現れ、月経がはじまると自然に症状がなくなったり軽くなったりします。
月経前に精神的症状が強く出る状態PMDDと呼び、PMDDがうつ病の原因となって発症してしまいます。
・妊娠うつ、産後うつ
妊娠うつや産後うつの原因は、女性ホルモンが大きく影響しています。妊娠すると、hCGという女性ホルモンが増加します。それにより体にはいろいろな変化が起こります。さらにエストロゲンやプロゲステロンという黄体ホルモンも多く分泌され、ホルモンバランスが崩れてうつ病を発症しやすくなるのです。
ホルモンの影響だけでなく、ママになること・なったことへのプレッシャーで精神状態が不安定になってしまうケースもあります。
・育児うつ
1日中子供と一緒の時間を過ごしていると、自分が社会から疎外されているかのような気分になります。その疲れや精神的な不安がうつ病を招きます。
・浮気、離婚によるうつ
パートナーに裏切られ、傷ついたことでうつ病を発症するケースは少なくありません。自分で自分を攻撃し、どんどん症状が悪化していきやすいです。
・更年期障害によるうつ
更年期障害になると、さまざまな身体的症状・精神的症状がおこります。最初は更年期障害として現れていた症状も、その症状や心身の変化からくるストレスが更年期のうつ病を招くとされています。
うつ病の治療方法
うつ病の治療は、まず休養をしっかりととることです。ゆっくりと休むことで心が落ち着き、症状は緩和されます。そのほかには、精神療法・心理療法・電気けいれん療法・薬による治療・磁気刺激治療などさまざまな方法があります。
いろいろ試してみて、自分に合った方法を見つけてください。
うつ病を予防する方法
うつ病は、予防できる病気です。
気分が落ち込んでいると自分自身で感じたら、食生活を整え、睡眠不足を解消し、適度な運動を取り入れてみましょう。規則正しい生活を送ると、心も体も自然と楽になっていきます。また信頼できる人に自分のつらい思いを打ち明けてみても良いでしょう。
気分がよくなるまでには少し時間がかかりますが、まずは無理をせず、1人で抱え込まないことが大切です。
婦人科でうつ病の原因となる症状を相談してみよう
うつ病になる原因はさまざまですが、女性の場合はホルモンの変化が大きく影響しています。
ホルモン変化は自分自身で調整できるものではありませんが、あまりに月経前の症状がつらい場合はピルを服用するなどして、解消できるでしょう。また更年期障害も漢方療法などで対処できれば、うつ病を予防できます。
気になる症状があれば、まずは相談してみてください。原因を解消することも、うつ病予防に効果的です。
医院紹介
熊本市西区にある「すえなが婦人科・産科クリニック」は、地域に根差した女性のためのクリニックです。経験豊富な産婦人科専門医が、女性のさまざまな症状・お悩みにお応えします。一般的な産科・婦人科の診察だけでなく、トータルのがん検診、子宮頸がんの予防や早期発見、リンパ浮腫の治療、性感染症の診療にも対応しています。
患者さんにご理解・ご納得していただいてから診療を受けてもらうことを大切にしており、患者さん1人ひとりに時間をかけてお話をして、検査・治療などについて丁寧にお伝えすることにこだわっています。
ご自身の体で何か不安なこと・心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
【医院名】
すえなが婦人科・産科クリニック
【住所】
熊本県熊本市西区二本木2丁目8-13
【電話番号】
096-352-7280
【診療時間】
9:00~12:30/13:30~18:00
※土曜の午前診療は14:00まで
【休診日】
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