パートナーとの性行為をする際、妊娠を望まないのであれば「避妊」をする必要があります。ここでは日本で許可されている避妊方法の種類・特徴を解説します。
避妊についてしっかりと理解を深め、自分や周りの人を守るための知識として活用してください。
避妊方法の種類
避妊には、さまざまな種類があります。
経口避妊薬
経口避妊薬と聞くと難しい言葉に感じますが、「ピル」と聞くと多くの人が知っている言葉ではないでしょうか。女性が毎日ピルを服用することで排卵が抑制され、子宮内膜や入口の変化によって着床しづらい状態を作る、という避妊方法です。
女性が錠剤であるピルを毎日服用する必要があり、服用を忘れると排卵や着床の可能性が上がります。毎日きちんと服用することが、経口避妊薬で避妊をする際の大切なポイントです。
ただしピルは口から入れて全身に作用するため、持病がある人は服用できないことも。また人によっては服用すると眠気が襲う、体がだるくなるなどの副作用が出るため、まずはしばらく飲んでみて体に合うかどうかを確かめましょう。
ピルは病院で診察を受け、医師が処方しても問題ないと判断した場合に処方されます。
IUD、IUS
IUDとIUSは、病院で子宮内にリングを入れて避妊する方法です。
IUD：子宮内に装着し、精子の運動を抑えて受精を防ぐ働きがあります。また子宮内の環境を変えることで、着床を阻害します。
IUS：子宮内に装着した装置から、黄体ホルモンを持続的に放出します。子宮内膜の増殖が抑えられ、着床を阻害する働きがあります。また子宮入り口の粘液を変化させるため、精子が子宮内へ侵入するのを防ぐことができます。子宮内膜の増殖が抑えられるため、月経量が減る人も多いです。
産科・婦人科で装着できる避妊具です。装着後も適切な位置に装着されているか定期的に確認する必要があります。
コンドーム
男性の性器に、ゴムでできた薄い袋をかぶせて避妊する方法です。きちんと装着していれば、高い確率で妊娠が防げます。ただし、着用時に破れてしまう、性行為時に外れてしまうという可能性があるため、サイズに合ったコンドームを選び、正しく装着しましょう。
また性行為後に破れていないかの確認も大切です。
男性用ではなく女性用のコンドームもあり、薬局でも購入できます。しかし実際にはコンドームといえば男性用が主流となっています。
アフターピル
性行為の際にコンドームが破れたり外れたりして子宮内に精子が入り込んだ可能性がある場合、望まない性行為をしてしまった場合に、緊急で服用する錠剤です。病院で処方してもらえます。性行為後、72時間以内に服用することで避妊の確率が高まります。
服用後は不正出血や吐き気・頭痛といった副作用が起きやすい避妊方法なので、体調に注意しましょう。50％ほどの人に吐き気や嘔吐が出現するため、吐き気止めを一緒に内服することが多いです。またピルを内服してから2時間以内に嘔吐した場合は、同量のピルを再度服薬する必要があります。
アフターピルは避妊方法の1つではあるものの、100％避妊できる薬ではありません。WHOによると、72時間以内にアフターピルを内服することで、84％の妊娠が回避できる、と報告されています。緊急の際はすぐに病院へかかり、状況を説明して適した処置を受けましょう。
不妊手術
不妊手術は、その名の通り手術によって卵子や精子の通り道を塞いでしまう方法です。一度手術をすれば半永久的な避妊効果がありますが、妊娠を望んでも再び妊娠することはできません。
適した避妊方法を、パートナーとともに話し合おう
避妊方法として、基礎体温で排卵日を予測して避妊に活用するという方法もありますが、ホルモンバランスはちょっとしたことで変化するため、避妊方法としては適していません。
女性が主体的に使える避妊方法もありますが、女性だけが避妊について考えるのではなく、パートナーとともにどんな方法がよいかを一緒に考えることが大切です。
それぞれの避妊方法のメリットやデメリットを踏まえ、2人で話し合ってみましょう。
医院紹介
熊本市西区にある「すえなが婦人科・産科クリニック」は、地域に根差した女性のためのクリニックです。経験豊富な産婦人科専門医が、女性のさまざまな症状・お悩みにお応えします。一般的な産科・婦人科の診察だけでなく、トータルのがん検診、子宮頸がんの予防や早期発見、リンパ浮腫の治療、性感染症の診療にも対応しています。
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