生理に関係する症状の緩和や避妊などに服用される低用量ピルは、保険が利用できる場合とできない場合があります。ここでは低用量ピルに保険が適用される条件や保険適用で処方できるピルの種類、自費購入が必要なピルとの違い・料金などを解説します。
低用量ピルとは
低用量ピルは、低用量の女性ホルモンを含んでいるホルモン剤です。
避妊・生理にまつわる症状の緩和・子宮の症状の改善・生理日の移動などに用いられます。
保険適用される場合とされない場合とは?
月経移動のためやピルの休薬期間を除いて、低用量ピルは原則として毎日服用します。服用を止めると緩和した症状が戻ってしまうケースもあり、金銭的な負担となることもあります。
低用量ピルは薬に該当するため、保険が適用されるのでは…という疑問を感じる人もいるでしょう。低用量ピルは確かに薬ですが、医師の診察を受けて医師が病気の治療に低用量ピルの服用が必要、と判断した場合に限って健康保険が適用されます。
日本においては、月経困難症・子宮内膜症の治療を目的としてピルを服用する場合に、保険が適用できることになっています。
しかし妊娠は病気ではないと判断されており、避妊を目的とする場合は健康保険の適用外です。月経移動などの病気治療ではないため、保険は適用外です。
保険適用かそうではないかによってピルの種類は違う?
これまで低用量ピルを服用したことがある人の中には、LEPやOCといった言葉を耳にした機会もあるはずです。
この2つのピルは、健康保険となる医療用ピルと保険適用外で自費となる避妊用ピルを区別するためのものです。
・保険適用のピル
保険適用のピルは、月経困難症や子宮内膜症の治療・症状の緩和に用いられる低用量ピルはLEPです。読み方はレップと呼び、生理に関わる症状の緩和に適した低用量のホルモン剤です。
服用方法やホルモンの種類・配合量に違いがあり、低用量ピルとの相性や症状緩和に必要なホルモン剤などを考慮し、処方されます。
・保険適用外のピル
避妊を目的として服用する低用量ピルをOCと呼んでいます。月経移動などにもOCのピルを用います。
OCはOral Contraceptiveの略称で、日本語では経口避妊薬という意味がある言葉です。避妊効果が認められると承認を受けたピルで、排卵の抑制以外に受精卵が着床しづらい状態を保つなどの効果が期待できます。正しい内服ができていれば、99%の高い確率で避妊可能です。
ピルの種類によって黄体ホルモンの種類や含有量が異なっており、それによって生理痛の緩和やニキビ改善なども期待できます。
低用量ピルの料金はどれぐらい?
病気治療で保険適用となる低用量ピルは、3割負担で処方が受けられます。一番安価なものであれば、1シートあたり800円程度のピルもあり、金銭的な負担が少なく続けやすいでしょう。
もちろん治療する内容によってピルの種類が異なるため、最も安い低用量ピルが良くても、もう少し費用がかかるピルを医師が処方する可能性もあるので、あらかじめ費用がいくらぐらいのものか確認しておくと良いでしょう。
一方で自由診療の場合、1シートあたり2,000〜3,000円が相場です。
このように料金を比較すると保険適用のピルのほうが安価に感じるかもしれませんが、保険適用のピルは病気治療を目的としているため、必ず診察を受ける必要があります。薬代だけでなく初診料や再診料、検査料や処方量などさまざまな費用がかかります。
自由診療では簡単な問診と服用方法の説明だけで処方を受けられることもあり、すべての費用を合算すると、保険適用のピルと自由診療のピルの費用はどちらも変わらないというケースも少なくありません。
低用量ピルの処方を希望する場合は、目的に合わせて受診して適切な処方を受けましょう。
医院紹介
熊本市西区にある「すえなが婦人科・産科クリニック」は、地域に根差した女性のためのクリニックです。経験豊富な産婦人科専門医が、女性のさまざまな症状・お悩みにお応えします。一般的な産科・婦人科の診察だけでなく、トータルのがん検診、子宮頸がんの予防や早期発見、リンパ浮腫の治療、性感染症の診療にも対応しています。
患者さんにご理解・ご納得していただいてから診療を受けてもらうことを大切にしており、患者さん1人ひとりに時間をかけてお話をして、検査・治療などについて丁寧にお伝えすることにこだわっています。
ご自身の体で何か不安なこと・心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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