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低用量ピルのメリットをチェック

低用量ピルと聞くと、避妊をするためのものというイメージを持つ人も多いです。しかしピルにはさまざまな役割があります。ここではピルの種類と避妊以外のメリット、ピルの服用で注意することを紹介します。

ピルの種類を紹介

ピルには、含まれている女性ホルモンの種類や量によって分けられています。

・超低用量ピル:女性ホルモンの量が最も少ないピルです。月経困難症や子宮内膜症の治療に使用します。
・低用量ピル:女性ホルモンの量が中程度のピルです。避妊や生理痛、生理不順、PMS改善に使用します。
・中用量ピル:女性ホルモンの量が最も多いピルです。月経移動に使用します。
・アフターピル:緊急避妊薬として使用します。アフターピルは避妊に失敗してしまったり、性犯罪に巻き込まれてしまったりしたときに服用します。

避妊以外のメリットとは?

避妊以外で得られるメリットや得られる効果は以下の通りです。

・生理痛、生理不順、子宮内膜症

ピルを飲むことにより、子宮内膜の肥厚が抑えられます。その結果、月経の出血量の減少や生理痛の軽減に役立ちます。ピルを服用することで偽妊娠状態になり、排卵が抑制されるため排卵痛も起こりません。

・PMS

イライラしたり不安感に襲われたり、むくみや頭痛がしたりすると、さまざまな症状がみられるのがPMSです。女性ホルモンの急激な変化が大きな原因とされているため、ピルの服用によって女性ホルモンの変動が抑えられます。

・ニキビや肌荒れ

ニキビや肌荒れが起こるのは、ホルモンバランスの乱れが大きな要因です。卵巣から分泌される男性ホルモンが影響しているため、テストステロンの分泌を抑えたりホルモンバランスの乱れを整える作用があったりします。

・卵巣がん、子宮体がん予防

ピルを服用すると排卵が抑制され、卵巣のダメージを防げます。実際に卵巣がんや子宮体がんはピルを服用することで最大50%もリスクが低下するといわれています。

ピルの服用で注意することは?

ピルのメリットを知ったところで、注意点を合わせて知っておきましょう。

・ピルでは性感染症は予防できない

ピルだけでは、性感染症の予防はできません。性感染症の予防のためには、コンドームを使用して粘膜・体液といった直接の接触を避けましょう。さらに、定期的に性感染症の検査を行うことをおすすめします。

・副作用を知っておく

個人差はありますが、ピルを飲み始めてから体が慣れるまでは1~3ヶ月は、吐き気や不正出血・頭痛や乳房のハリなどの不調が現れることもあります。

多くの場合、内服しているうちになくなっていきますが、なかなか改善しないときはピルの種類を変更することで消えるケースもあるため、医師に相談してみましょう。

また重大な副作用として血栓症もあるため、注意が必要です。血栓症は血液のかたまりができ、血管に詰まってしまう病気です。ピルを飲み始めてから1年間は、血栓症になるリスクが高まります。胸の痛み・激しい頭痛・ふくらはぎの痛み・むくみなどが現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

・服用できない人もいる

次の条件に当てはまる方は服用できないため、注意が必要です。

①35歳以上で1日15本以上タバコを吸っている人
②高血圧の人
③過去2週間以内に手術を受けた、または今後1ヶ月以内に手術の予定がある人
④目の前がキラキラするような片頭痛がある人
⑤血栓を起こす病気と診断された人
⑥乳がんや子宮体がんの疾患がある人
⑦妊娠中・妊娠している可能性がある・授乳中の人
⑧出産後1ヶ月後以内の人
⑨妊娠中に黄疸やヘルペス、持続性掻痒症と診断された人

以上に当てはまる人は、ピルを飲むメリットよりもリスクのほうが大きいため、他の方法を使用して避妊やPMSに対応しましょう。

ピルの服用を検討する際は医師に相談しよう

ピルにはさまざまなメリットがあります。ただし飲むことでリスクも伴うため、服用を検討する際は医師に相談し、ピルの必要性をよく考えてみましょう。

医院紹介

熊本市西区にある「すえなが婦人科・産科クリニック」は、地域に根差した女性のためのクリニックです。経験豊富な産婦人科専門医が、女性のさまざまな症状・お悩みにお応えします。一般的な産科・婦人科の診察だけでなく、トータルのがん検診、子宮頸がんの予防や早期発見、リンパ浮腫の治療、性感染症の診療にも対応しています。

患者さんにご理解・ご納得していただいてから診療を受けてもらうことを大切にしており、患者さん1人ひとりに時間をかけてお話をして、検査・治療などについて丁寧にお伝えすることにこだわっています。

ご自身の体で何か不安なこと・心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

【医院名】
すえなが婦人科・産科クリニック

【住所】
熊本県熊本市西区二本木2丁目8-13

【電話番号】
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