更年期の性交渉と、性交痛
個人差はありますが、閉経を迎える前後5年を「更年期」といいます。
おおよそ40代後半から50代前半までの10年間を指しますが、
この間の性交渉で生じる「性交痛」に悩まれている女性は、少なくありません。
性交痛の原因
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する卵巣機能が低下し、その影響から性交時に痛みを伴う場合があります。
・挿入時に痛みを感じる
・膣内のうるおいがなくなってきた
痛みを我慢しながら性交渉を続けると、様々な症状や病気の原因となるため、注意と対策が必要です。
痛みがある場合、多く見られる症状や病気
萎縮性膣炎
特に閉経後は膣の粘膜が萎縮しやすく、挿入による摩擦等で炎症を起こしやすい状態になります。
女性ホルモンの分泌が低下し、膣の粘膜が乾燥し膣が傷つくことで痛みが生じ、出血する場合もあります。
子宮の病気
更年期に差し掛かる時期に多い病気として、子宮内膜症や子宮筋腫が挙げられます。
性交時に腹部の違和感や痛みを感じることもあります。
また、子宮体がんも更年期の女性に多く発症する病気で、下腹部痛や性交痛等の症状がみられます。
性交痛の対処法
膣内の乾燥を防ぎ、挿入時の摩擦で生じる刺激を低減させるために、
潤滑ゼリー(ローション)を使用した性交渉をオススメします。
また、ホルモン充填療法により、エストロゲンを補充することで、膣内の環境を改善する治療法もあります。
まずはパートナーに状況や症状を説明し、きちんとした理解と協力を得ることが、なによりも大切です。